血小板減少性紫斑病の場合に歯科治療が可能かどうか CATEGORY無痛治療
金沢市 44歳 女性
質問なのですが、私は『特発性血小板減少性紫斑病』という疾患でいまステロイドの飲み薬による治療をして貰っています。
血小板の数値は2.8万~5万位で普通の出血であればすぐに止まります。
それと歯科治療にすごく恐怖心があり、恐怖からか嘔吐反射も少しあると思います。
以前はそんなことはなかったのですが、数年前にパニック発作をおこしてから逃げれない状況とかに対して恐怖心が増した気がします。
ステロイドを飲んでから、すごく歯がもろくなったようで急激に虫歯が増えました。(磨き方も悪かったのだと思いますが)
今は虫歯だらけで、前歯でしか物が噛めない状況です。
一番困っているのは、金属の詰め物がとれた上顎の4番の歯を放置していて中からか、横からか判らないのですが、歯肉が盛り上がってきて今朝、歯が欠けてしまいました(出血はなし)根っこは抜けていません。
このような疾患を持っていても無痛治療をして頂く事は可能でしょうか?
それとも大学病院などにいった方がよいでしょうか?
まだ血液内科の担当医には相談していないのですが・・・。
宜しくお願い致します。
担当医の回答
こんにちは。中嶋歯科医院の中嶋顕です。
ご相談のメールありがとうございます。
歯科治療に対する恐怖心とお体のご病気にことで歯科治療にたいする不安をおもちなわけですね。お気持ちよくわかります。
まず、血小板減少性紫斑病の場合に歯科治療が可能かどうかについてお答えさせていただきます。
基本的な虫歯の治療はまったく問題なく行えます。ただし、抜歯などの出血する処置の場合には注意が必要になります。血液内科の先生と連絡をとりながら処置を行うことになりますが、できれば血小板の数値が高いときにそのような治療を行ないます。基本的には5万程度の血小板数であれば処置は可能になります。
次に恐怖心や嘔吐反射、パニック発作についてですが、おそらく過去の嫌な経験からくる精神的なものが原因だとおもわれます。鎮静療法などを利用して、精神的な緊張をとって治療を行うことで解決することがほとんどですのでご安心ください。もちろん痛くないように治療いたします。
少しでもしんどいようでしたらすぐに治療を中止すれば良いですし、逃げられないなんてことはございませんからあまりご心配なさらないでくださいね。できれば激しい痛みをおこさないうちに、勇気をもっていらしていただくのがよいのではないでしょうか。
現在の状態についてご説明いたしますし、治療を行うとすればどのような処置で、どのようにすれば心配な要素をできるだけ減らせるか一緒にご相談できますからね。いきなり治療などはいたしませんからご安心ください。
もちろんメールでも結構ですのでほかにご心配なこと、ご相談がございましたら遠慮なくご連絡ください。
患者さまより>---------------------------------------------
中嶋先生、こんにちは。
先日はお忙しい所、とてもご丁寧なお返事を頂きまして本当に有難うございました。
紫斑病があるので診ては頂けないかなと不安に思っていたのでとっても嬉しくて何度も読み返してしまいました。
先生のお返事を読ませて頂いただけで、すごく気持ちが楽になりました。
近々、血液内科の診察日なので主治医にもお話してその後、受診させて頂きたいと思っています。
この度は本当に本当に有難うございました。
- 記事監修:中嶋 顕
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略歴
- 2002年3月 東京歯科大学歯学部 卒業
- 2002年4月 慶応義塾大学医学部歯科口腔外科 入局
- 2004年4月 平井歯科医院(東京都)
BIOインプラントセンター(東京都) - 2006年4月 湘南デンタルケアーインプラントクリニック(神奈川県)
- 2008年4月 中嶋歯科医院・金沢インプラント 開設
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所属
- ITI(International Team for Implantology)メンバー、公認インプラントスペシャリスト
- 日本口腔インプラント学会会員
- 湘南インプラント研究会員
- 記事監修:院長 浦井 一樹
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略歴
- 2002年4月 新潟大学歯学部 入学
- 2008年3月 新潟大学歯学部 卒業
- 2008年4月 新潟大学医歯学総合病院 入職(歯科医師卒業後臨床研修)
- 2009年4月 公益社団法人石川勤労者医療協会城北歯科 入職
- 2014年4月 城北歯科 所長就任
- 2019年5月 城北歯科 退職
- 2019年6月 医療法人社団慈恵会 中嶋歯科医院 入職現在に至る
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所属
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生年月日
- 1983(昭和58)年10月16日