歯根端切除の適応になる可能性が僅かでもあるか、お聞きしたいです CATEGORY虫歯治療、マイクロスコープ精密治療
福井県坂井市丸岡町 40代 女性
ホームページを拝見してメールさせて頂きました。2年程前に右上顎の前から4番目の歯茎にニキビのようなものができ、レントゲンで5番目の歯の根尖膿瘍が原因である事が分かり根幹治療を受けました。結局治らず現在2件目の歯科医院で治療を受けています。先生と相談して、もし根幹治療を数回行ってみて改善がなければ歯根端切除に進もうと言っていたのですが、残念ながら治療効果がなくCTを撮っていただいたところ既に歯根部付近の骨が溶けて穴も空いており、切除する部分の歯根端も既に5mm程溶けており歯根端切除術の適応外と言われてしまいました。他の治療も考えては下さったのですがそれで治るかと言うと何とも言えないとのお話で、抜歯を覚悟しつつあります。ただ治療方針は先生によってある程度違いはあると思うので、そちらでは私のような状態でも歯根端切除の適応になる可能性が僅かでもあるか、過去に私のような状態の患者さんで歯根端切除された方がいらっしゃるかどうか教えていただけましたら幸いです。もちろん実際に診て頂いた結果適応外と判断される事はあると思うのですが、僅かでも可能性があるならセカンドオピニオンに伺いたいと思っています。お忙しいところ申し訳ありませんがどうぞよろしくお願いいたします。
担当医の回答
右上の奥歯の状態が悪いのですね、大変心配されお悩みのご様子が伝わってきます。
担当の先生のご判断では、歯根端切除術が適応できないと言われてしまったのですね。
実際にお口の状態を拝見していませんので確実なことは申し上げられませんが一般的な範囲でお答えいたしますね。
歯根端切除術は、通常の根管治療では効果のない場合に適応になる外科的な処置で、文字通り歯根の先を数ミリ外科的に切除する方法です。ただ、この術式は切除した歯根の分全体が短くなりますので、残る歯根が健康な骨に支えられている必要があります。骨の吸収があまりに広範囲の場合は、歯根端切除に耐えられないケースも考えられます。適応外と言われた理由もこの点ですね。
また、すでにご存じかもしれませんが、別の方法として「意図的再植術(いとてきさいしょくじゅつ)」と呼ばれる処置があります。(術式の詳細はネットでも画像などで見ることができます)いったん歯を抜歯し、清潔環境下に口の外で感染を除去し、歯根をもとに戻す方法です。状態によりますが、歯根端切除術、もしくは意図的再植術が適応になる可能性はあるかと思います。
おっしゃるように、治療方針、診断は歯科医師ごとに異なる場合もありますので、一度ご来院いただきまして見せていただけましたら治療方針について詳しくお話することもできます。もちろん、歯を保存できる可能性は最大限追求しますよ。
他にもご心配な点、ご質問などございましたらいつでもお聞きくださいね。
- 記事監修:中嶋 顕
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略歴
- 2002年3月 東京歯科大学歯学部 卒業
- 2002年4月 慶応義塾大学医学部歯科口腔外科 入局
- 2004年4月 平井歯科医院(東京都)
BIOインプラントセンター(東京都) - 2006年4月 湘南デンタルケアーインプラントクリニック(神奈川県)
- 2008年4月 中嶋歯科医院・金沢インプラント 開設
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所属
- ITI(International Team for Implantology)メンバー、公認インプラントスペシャリスト
- 日本口腔インプラント学会会員
- 湘南インプラント研究会員
- 記事監修:院長 浦井 一樹
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略歴
- 2002年4月 新潟大学歯学部 入学
- 2008年3月 新潟大学歯学部 卒業
- 2008年4月 新潟大学医歯学総合病院 入職(歯科医師卒業後臨床研修)
- 2009年4月 公益社団法人石川勤労者医療協会城北歯科 入職
- 2014年4月 城北歯科 所長就任
- 2019年5月 城北歯科 退職
- 2019年6月 医療法人社団慈恵会 中嶋歯科医院 入職現在に至る
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所属
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生年月日
- 1983(昭和58)年10月16日