先日夜中に突然歯と顔と頭に耐えがたい激痛が起こり診てもらったのですが、抜歯しかないと言われました CATEGORY虫歯治療、口腔外科
20代 女性
先日夜中に突然歯と顔と頭に耐えがたい激痛が起こり診てもらったのですが、CTで左上の7番に歯根嚢胞ができているみたいで急性炎症を起こしていました。その歯は10年程前に急性根尖性歯周炎を起こして神経を抜いて銀歯を被せていました。
骨まで溶かしているほどに膿袋?は大きいようで抜歯しかないと言われました。落ち込みましたがまだ骨は突き破っていないし鼻にも到達していないからと言われ、診てもらっている間も顔と頭が割れそうな痛みで疲弊していて仕方ないかと思って帰ったのですが、帰ってきてから本当に正しいのかと思ってきました。
確かにその歯は一度治した後もかなり違和感がずっと続いていて、神経を抜いたときも何回も根管治療を繰り返してほとんど虫歯で歯の形がなくなるほど削って銀歯を被せていました。調べて出てきた歯茎を切って膿を出す?という手術は言われなかったので適応ではなかったのかと思いまして…。
また、もし抜歯してもその後のことは漠然と何もしないでそのままと考えていたのですが、調べているとそのままはいけないように書いてあって不安になりました。インプラントは値段のこともありますが100%ないと自分では考えていて、隣の歯を削ってブリッジみたいにすると言われたときも歯を削るのが嫌なので選択肢になく、親知らずもなくてこの7番が一番奥なのでそのままでも歯茎が盛り上がってくるだけと思っていたのですが違うのでしょうか?
顔の形や噛み合わせで頬を噛むことは聞いたのですが、下の7番が伸びてくると書いてあってどういうことかと心配になりました。
この歳ですが持病でいろんな薬を飲んでいたりして歯も虫歯だらけで弱い方です。無闇に歯を削ると絶対そこから虫歯になると思っています。抜歯した後そのままにすることはよくないことなのでしょうか?
お忙しいとは思いますが、返信頂けますとすごく嬉しいです。よろしくお願いいたします
担当医の回答
ご相談のメールありがとうございます。
中嶋歯科医院の浦井です。
左上の7番の急な強い痛みがでた状況なのですね。辛いお痛みだったでしょうね。
今お聞かせいただいた文面からの推察にはなりますので断定的なことは言えませんが、先生の説明、痛みの状況をみると今回はとても残念ですが抜歯は妥当なように思われます。理由は状態の悪い歯根を無理に残しても、その後症状の再発、再治療を繰り返すことが容易に想像できるからです。ただ、痛みが強い状態で、まして歯科医院で緊張した中で説明を受けてもはすぐ判断できないことは当たり前だとも思いますので、不安に思われることはすごく理解できます。
また、もし抜いたとしてその後の方針について考えられることをお伝えしますね。。一般的には7番の歯は抜くことで生じる咀嚼への影響は少ない歯だと言われていますし、これもかみ合わせの状況がわからないので確実なことは言えませんが、抜歯後に左下の7番の歯が残った上の歯にうまく噛んでいる場合には抜いたままで何もしないことは許されると思います。一方で、抜歯後に左下の7番がかみ合うことがなくなると、挺出(ていしゅつ)と言って歯が伸びてくる場合があります。挺出が生じると、すこし噛みにくくなったり顎を動かしにくくなることがありますので、その場合は抜歯したままの放置はあまりお勧めできないかもしれません。
結論として、状況が許せば抜歯したまま放置するのは大丈夫だと思います。
また、もし状況が許さず何か入れなければならないとなった場合は、歯を削ること、インプラント処置を避けるのであれば、一度部分義歯を作成するのはいかがでしょうか。義歯つまり入れ歯ですが、最初違和感は大きくなれるまで時間がかかるかもしれせんが、ほとんど歯を削らないで対応できます。このあたりは治療方法によってメリットデメリットがありますので担当の先生とよく相談されてください。
長文になりましたが参考になれば幸いです。
また何かございましたらいつでもおききください。
- 記事監修:中嶋 顕
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略歴
- 2002年3月 東京歯科大学歯学部 卒業
- 2002年4月 慶応義塾大学医学部歯科口腔外科 入局
- 2004年4月 平井歯科医院(東京都)
BIOインプラントセンター(東京都) - 2006年4月 湘南デンタルケアーインプラントクリニック(神奈川県)
- 2008年4月 中嶋歯科医院・金沢インプラント 開設
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所属
- ITI(International Team for Implantology)メンバー、公認インプラントスペシャリスト
- 日本口腔インプラント学会会員
- 湘南インプラント研究会員
- 記事監修:院長 浦井 一樹
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略歴
- 2002年4月 新潟大学歯学部 入学
- 2008年3月 新潟大学歯学部 卒業
- 2008年4月 新潟大学医歯学総合病院 入職(歯科医師卒業後臨床研修)
- 2009年4月 公益社団法人石川勤労者医療協会城北歯科 入職
- 2014年4月 城北歯科 所長就任
- 2019年5月 城北歯科 退職
- 2019年6月 医療法人社団慈恵会 中嶋歯科医院 入職現在に至る
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所属
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生年月日
- 1983(昭和58)年10月16日