右上奥歯について、 右上奥歯の歯槽骨が溶けているとの事だったのですが、抜歯する必要はありますでしょうか? CATEGORY虫歯治療
70代 男性
お世話になります。
70歳男性です。
コロナ前、現在通っている歯医者さんで、右上奥歯(第二大臼歯。以前虫歯治療した歯です)について、
右上奥歯の歯槽骨が溶けているとの事だったのですが、歯自体は、ゆらしてもゆれず、
先生に、抜くかどうか聞かれ、その時は抜かないことにしました。
その後コロナの影響で、受診を控えていたのですが、
先日、久々に、定期検診に行きました。
その時の衛生士さんの、レントゲンを見ながらの説明では、
・右上奥歯の歯槽骨が溶けている。
・右上奥歯の真下の歯がないので、だんだん、右上奥歯が下がってきている。
(右上奥歯の真下の歯は、数年前、腫れて膿が溜まってしまい、抜歯しました)
とのことでした。
今のところ、この右上奥歯は、歯自体はゆらしてもゆれず、
疲れた時などに、少しウズウズする時があるくらいでしたが、
今回の検診で、ポケットの深さ測りや、歯の掃除などで、
その部分から結構出血し、
また、帰宅後、この歯が斜め下の歯に当たると、
かなりの痛さがありました。
翌日には、その痛さは治り、
以前と同じようになりました。
現在、このような状態なのですが、
抜歯する必要はありますでしょうか?
それとも、このままの状態でも大丈夫でしょうか?
また、抜歯以外に方法はありますでしょうか?
お忙しい中、お手数をおかけしますが、
よろしくお願い申し上げます。
返信文:
お世話になります。
ご返信頂き、誠に有難うございます。
現在のところ、できれば抜かない方向で
いければとは思っています・・・
下記、追加のご質問です。
(文面からの推測で構いません)
このままの状態でいると、
歯周病は、隣の歯などに進行して行ったりと、
デメリットはございますか?
また、今回のように、「下に噛み合う歯がない」場合、
抜いたほうがメリットはございますか?
また、抜いた場合のデメリットはございますでしょうか?
(抜いた歯の方に、隣の歯がズレるなどでしょうか?)
お忙しい中、お手数をおかけしますが、
何卒、宜しくお願い申し上げます。
担当医の回答
ご相談のメールありがとうございます。
右上の第二大臼歯のことでお悩みなわけですね。ご自分ではさして困ってもなく、今は症状も無いようですから抜歯と言われ困惑するのももっともですね。
今回は、今いただいている情報から考えられることをお伝えしていきますね。
大切なことは残すことで他の歯への悪影響が生じる可能性があるか、ないかということです。残すことのメリットデメリットについてしっかりと説明を受け、把握してから判断されるのが大切ですね。その点を担当医としっかり話し合ってみてはいかがでしょうか。
また、直接お口の状態を拝見していませんので断定はできない点をあらかじめご理解いただき状況を説明してみます。ゆらしても歯がゆれていないからといって骨に問題がないかというと、複数の歯の根っこにより支えられている第二大臼歯などは、一部でも歯の根っこが骨と接合していれば、歯全体として大きな骨の吸収があってもほとんど歯がゆれないということも少なくありません。歯科のスタッフはレントゲンなどから内部の状態を知ることができるので、骨の吸収があることをあなた様に指摘できたわけです。
もし言われるように骨の吸収が進行しているとすると、今の状態から完全に原状復帰させることは困難かと思いますので、抜くのか、そのまま置いておくのかという判断になろうかと思います。
今のあなたさまのお気持ちがどの方向性にあるかはわかりませんが、私個人としては残すことで他の歯に悪影響が出ない限りそのままでもよいかと思いますよ。
他にも心配な点はいつでもメールでお聞きくださいね。
[返信文への回答]
中嶋歯科医院の浦井です。
現在の詳細な状態がわからないため断言はできませんが、現状のままで置いておいて歯周病が進行した場合には隣の歯への影響が出る可能性はあると思います。歯周病治療担当のスタッフに現状を確認いただくのが最も確実だとは思います。
また、かみ合う歯がない場合に抜歯を行うメリット・デメリットがあるかという質問に対してお答えしますね。まず第二大臼歯は抜くことでの歯のずれはほとんど生じないとは言われていますのでその点は心配ないと思います。右下の第二大臼歯の抜歯でもおそらく歯がずれたりはなかったのではないかと推察します。
今回は歯周病がすでに進行しているとの診断であれば、このまま残すことで周囲への歯周病の影響が広がるリスク、また右下第二大臼歯はすでに欠損しており、かみ合わせへの影響がない点を鑑みますと抜くことのデメリットはさほど無いように思われます。
一方抜くことのメリットは当該の歯を原因とする歯周病の進行は阻止できる、という点がありますね。
いずれにしても、担当の先生、スタッフさんが最もたくさん情報を持っているとは思いますからよく相談されて歯の今後のことを決めていかれるのが良いと思います。
- 記事監修:中嶋 顕
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略歴
- 2002年3月 東京歯科大学歯学部 卒業
- 2002年4月 慶応義塾大学医学部歯科口腔外科 入局
- 2004年4月 平井歯科医院(東京都)
BIOインプラントセンター(東京都) - 2006年4月 湘南デンタルケアーインプラントクリニック(神奈川県)
- 2008年4月 中嶋歯科医院・金沢インプラント 開設
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所属
- ITI(International Team for Implantology)メンバー、公認インプラントスペシャリスト
- 日本口腔インプラント学会会員
- 湘南インプラント研究会員
- 記事監修:院長 浦井 一樹
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略歴
- 2002年4月 新潟大学歯学部 入学
- 2008年3月 新潟大学歯学部 卒業
- 2008年4月 新潟大学医歯学総合病院 入職(歯科医師卒業後臨床研修)
- 2009年4月 公益社団法人石川勤労者医療協会城北歯科 入職
- 2014年4月 城北歯科 所長就任
- 2019年5月 城北歯科 退職
- 2019年6月 医療法人社団慈恵会 中嶋歯科医院 入職現在に至る
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所属
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生年月日
- 1983(昭和58)年10月16日