インプラントは作り物の歯でもちゃんとした方がいいのかなと思うのですが、メンテナンスはした方がいいのでしょうか。 CATEGORYインプラント
60代 男性
担当医の回答
中嶋歯科医院の浦井です。
頂いたご質問にお答えいたしますね。
インプラント治療後のメンテナンスについてですが、これは非常に大切なことです。理由は今から説明していきます。歯を装着が完了して治療が終わるわけではなく、そこから10年、20年それ以上と長い時間その歯を使用して生活していくわけですから歯を入れるまでの時間より入れてからの時間の方がはるかに長く、その間快適に使用できるようにメンテナンスは欠かせません。
インプラント自体は細菌で腐食することはありませんが、一方でインプラントを支える土台となる骨はそうではありません。万が一周りの骨が歯周炎にかかってしまうと放置した場合は最悪インプラントが抜け落ちてしまうという事態になりえます(これをインプラント周囲炎といいます)。ですので、このインプラント周囲の骨を健康に保つためにメンテナンスが非常に重要になるわけです。
メンテナンスで最も重要なのは、先にもお伝えしている「インプラント歯周炎」を予防することです。普段の歯みがきだけでは口の中を100%キレイに掃除するのは難しく、清掃が十分でない個所にはプラークが溜まってしまいます。そのまま放置しておくと、インプラントの周囲のはぐきが細菌に感染して周りの骨が吸収してしまうというインプラント周囲炎につながります。インプラント周囲炎が進行すると、インプラントを支える歯槽骨が破壊されインプラントの脱落につながってしまいます。
それを防ぐためにメンテナンスを受けるのですが、一般的には年に数回程度のメンテナスが必要と言われています。3~6か月に一回程度の頻度です。ただ、インプラントのメンテナンスは個人差があるので担当の歯科スタッフとしっかり相談しておくことをおすすめします。
メンテナンス時の流れとしてはインプラントの状態をチェックし、定期的にレントゲンを撮影しインプラント体や骨の状態を確認します。お口の中を衛生士が丁寧にケアし、必要に応じてインプラントの歯を一度外して洗浄を行うなどもしていきます。当院にはインプラントケアに特化した「エアフロー」というケア器械も用意し対応しています。
インプラント治療をして快適な生活を手に入れた後は、メンテナンスを受けてできるだけ長く使えるようにしていくことが大切です。
ご友人にも一度ぜひメンテナンスの重要性についてお話くださいませ。
- 記事監修:中嶋 顕
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略歴
- 2002年3月 東京歯科大学歯学部 卒業
- 2002年4月 慶応義塾大学医学部歯科口腔外科 入局
- 2004年4月 平井歯科医院(東京都)
BIOインプラントセンター(東京都) - 2006年4月 湘南デンタルケアーインプラントクリニック(神奈川県)
- 2008年4月 中嶋歯科医院・金沢インプラント 開設
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所属
- ITI(International Team for Implantology)メンバー、公認インプラントスペシャリスト
- 日本口腔インプラント学会会員
- 湘南インプラント研究会員
- 記事監修:院長 浦井 一樹
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略歴
- 2002年4月 新潟大学歯学部 入学
- 2008年3月 新潟大学歯学部 卒業
- 2008年4月 新潟大学医歯学総合病院 入職(歯科医師卒業後臨床研修)
- 2009年4月 公益社団法人石川勤労者医療協会城北歯科 入職
- 2014年4月 城北歯科 所長就任
- 2019年5月 城北歯科 退職
- 2019年6月 医療法人社団慈恵会 中嶋歯科医院 入職現在に至る
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所属
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生年月日
- 1983(昭和58)年10月16日