現在インプラントを悩んでいます。 CATEGORYインプラント
50代 男性
担当医の回答
ご相談のメールをいただきましてありがとうございます。
中嶋歯科医院の浦井です。
何か事情があってブリッジ治療が難しいのですね。入れ歯かインプラントという選択肢とで悩まれている状況ですね。
それぞれの治療方法にはメリットデメリットが必ずありますから、歯科治療に対してあなた様が何を重視して臨んでいくかということにより選択する必要があります。つまり、安定して長持ちする治療がよい、できるだけ費用の掛からない治療がよい、見た目に美しい歯を入れたい、治療期間が短い治療がよいなどの治療に求める条件ですね。それらを考えていただくヒントになるように一般的な内容ではありますが順にご説明していきますね。
まず最初、インプラント治療についてお話しますね。まず最初に知っておいていただきたいことは、インプラントは「義歯」であることです。つまり、差し歯や入れ歯と同じ種類になることを前提として覚えておいてください。そのうえで、インプラント治療のメリットをお伝えしていきます。もっとも大きなメリットは、自分の本物の歯で噛むのとほぼ同じ感覚であることが挙げられます。加えて、統計的に10年生存率約98%、20年生存率約90%ともいわれる非常に長期間の使用に耐える点が挙げられます。
一方で、入れ歯では慣れるまで食べ物を美味しく食べることができないとよくいわれます。理由としては、入れ歯は自分の歯ではなく、且つ歯自体を歯茎の上に置いて使用するものだからです。しかし、「インプラントも義歯であり入れ歯なのだから、同じなのではないか」と思われがちですが、それは少し異なります。インプラントは義歯ではありますが、取り外しできる入れ歯と違い、顎の骨に土台を埋め込みます。その土台の上に人工の歯を取り付けるので、自分の歯と同じ感覚で食べ物を噛むことができます。
さらに見た目の美しさも、インプラントのメリットです。保険診療の入れ歯ですと歯に固定するために金属の留め金を使用します。外から金属色が見えたり色が変色したりすることがあるため、人によっては見た目がとても気になる方もいらっしゃいます。しかしインプラントの歯の部分は、セラミック素材が使われていますので、歯と同じような見た目がキレイです。
また、残っている歯に負担をかけないことも、インプラントのメリットです。一方で部分入れ歯は、固定するための金具を残っている歯に取り付けます。そうすると、金具をはめた歯に負担がかかり、かえって残存する歯に悪影響を及ぼす可能性もあるのです、その点、インプラントは1本ごとに顎の骨に固定されて自立しているので、残っている歯に影響を与えることがありません。さらに、いちいち取り外す必要がないので、生活に支障を及ぼしません。
別の視点でみてみると、インプラントは治療の際に本体を骨に設置するための手術が必要になります。それが人によってはデメリットととらえられるケースもあります。入れ歯は手術は必要なく歯の型どりを行うだけで作成可能なので、作る手間を比較すると簡単だと言えます。かかる治療費はインプラントは全額自費診療で費用が掛かることが多い反面、入れ歯は比較的安価に作成可能です。
これまで両者のメリット、デメリットを比較してみました。
治療を考えるヒントになれば幸いです。
他にも疑問がありましたらいつでもメールでお聞きくださいね。
- 記事監修:中嶋 顕
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略歴
- 2002年3月 東京歯科大学歯学部 卒業
- 2002年4月 慶応義塾大学医学部歯科口腔外科 入局
- 2004年4月 平井歯科医院(東京都)
BIOインプラントセンター(東京都) - 2006年4月 湘南デンタルケアーインプラントクリニック(神奈川県)
- 2008年4月 中嶋歯科医院・金沢インプラント 開設
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所属
- ITI(International Team for Implantology)メンバー、公認インプラントスペシャリスト
- 日本口腔インプラント学会会員
- 湘南インプラント研究会員
- 記事監修:院長 浦井 一樹
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略歴
- 2002年4月 新潟大学歯学部 入学
- 2008年3月 新潟大学歯学部 卒業
- 2008年4月 新潟大学医歯学総合病院 入職(歯科医師卒業後臨床研修)
- 2009年4月 公益社団法人石川勤労者医療協会城北歯科 入職
- 2014年4月 城北歯科 所長就任
- 2019年5月 城北歯科 退職
- 2019年6月 医療法人社団慈恵会 中嶋歯科医院 入職現在に至る
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所属
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生年月日
- 1983(昭和58)年10月16日