右上5番の歯なのですが、一ヶ月ほど前から急に歯ブラシの毛先をあてるだけで痛くなり、歯茎も赤黒く腫れ、喋ったり飲み込む動作でも痛みが出るようになりました。 CATEGORY虫歯治療、口腔外科
女性
右上5番の歯なのですが、5.6年前に虫歯で神経を抜いてファイバーコアと白いクラウンをしていました。一ヶ月ほど前から急に歯ブラシの毛先をあてるだけで痛くなり、歯茎も赤黒く腫れ、喋ったり飲み込む動作でも痛みが出るようになりました。
神経を抜いた歯科とは別の歯科でレントゲンを撮ったところ、コアが根の先から数ミリ突き出したまま入っていて、それが原因で炎症を起こしているのではと言われました。そして5.6年も経っているからコアを抜いても根の先に穴は空いたままなので、コアを取ることもできなくて抜歯するしかないと言われ凄く落ち込んでいます。
確かに舌で押すだけでもとても痛く、右側で食事はできていません。何もしていなくてもズキズキと痛むのは歯茎なのか根の先なのかも分かりません。けれど歯茎も酷い歯周炎になっていると言われ、一ヶ月ほど前はまったく問題なかったのに不思議でなりません。
この場合、他に方法はなく抜歯するしかないのでしょうか…。また、根の先の炎症と酷い歯周炎は関連しているのでしょうか。抜歯する前にクラウンを取り、歯周炎を落ち着かせたら痛みが引くかもしれないとのことでまずはクラウンを取ると言われましたが、取っていいのかも分かりません。
根幹治療の際にレントゲンを撮っていればすぐやり直せるものだと聞いて、子供の頃から通っていた歯科だったのでショックでした。奥歯ならともかく、5番の歯を抜くことは躊躇われます。
お忙しいとは思いますが、お返事いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
担当医の回答
ご相談のメールありがとうございます。
中嶋歯科医院の浦井です。
お送りいただいたメールを拝読しますに、とてもお辛い状況ですね。心中をお察しします。
問題の解決方法についてですが、現在の歯の詳しい状況がわかりませんので断定的なことは言えませんが、根の先の炎症も、歯周炎もどちらもばい菌感染に起因する炎症ですから、その関連については否定できないと思われます。
コアが根の先に突き出しているというのも私も想起できる状況ですが、それが事実であるとすると先生の見立ての通りコアを取り除くことも困難でしょうし、その方法で解決できる問題では無いように思われます。ただ一方で、ほかに全く手の打ちようがないかと言われますと、病変の状況にもよりますが外科的歯内療法(歯根端切除術という術式です。詳しくはネット等で検索いただけますと幸いです)とよばれる方法が適応になるかもしれません。
これは、問題を起こしている根の先に対して、一部歯肉を切開して直接病変を取り除く手法です。問題の右上の5番目の歯であれば視野も確保できますので一考の価値がある方法と考えます。
外科的な処置に精通している歯科医師であれば施術は可能ですし、保険診療でも施術可能な処置です。また、かぶせものや、コアなどは外さずに根の先に飛び出している悪い部分だけを外科的に取り除くことができる点も利点かと思います。ただ外科的な処置ではありますし、根の先を削除してしまうので根も短くなり歯が弱くなることは避けられないです。炎症を取り除くことと、歯が弱くなることがトレードオフの関係と言えます。100%の問題解決を約束できる方法ではありませんが、抜歯という最悪の選択をされる前に一度担当の先生と相談されてもよいかもしれませんね。
他にも心配な点や疑問点はつでもメールでお聞きくださいね。
- 記事監修:中嶋 顕
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略歴
- 2002年3月 東京歯科大学歯学部 卒業
- 2002年4月 慶応義塾大学医学部歯科口腔外科 入局
- 2004年4月 平井歯科医院(東京都)
BIOインプラントセンター(東京都) - 2006年4月 湘南デンタルケアーインプラントクリニック(神奈川県)
- 2008年4月 中嶋歯科医院・金沢インプラント 開設
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所属
- ITI(International Team for Implantology)メンバー、公認インプラントスペシャリスト
- 日本口腔インプラント学会会員
- 湘南インプラント研究会員
- 記事監修:院長 浦井 一樹
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略歴
- 2002年4月 新潟大学歯学部 入学
- 2008年3月 新潟大学歯学部 卒業
- 2008年4月 新潟大学医歯学総合病院 入職(歯科医師卒業後臨床研修)
- 2009年4月 公益社団法人石川勤労者医療協会城北歯科 入職
- 2014年4月 城北歯科 所長就任
- 2019年5月 城北歯科 退職
- 2019年6月 医療法人社団慈恵会 中嶋歯科医院 入職現在に至る
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所属
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生年月日
- 1983(昭和58)年10月16日